じげん、時価総額1兆円のジゲノミクスとは? 既存事業に加え、積極的なM&Aでレバレッジ

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7月に福岡で開催されたB Dash Campで時価総額1兆円構想を語った平尾丈社長。その構想には興味深いものがある。今回は、本連載の番外編。じげんの時価総額1兆円構想と成長戦略である「ジゲノミクス3本の矢」について、平尾社長に話を聞いた。
平尾 丈●1982年生まれ。慶應義塾大学卒業。在学中に2社を創業し、2005年リクルート入社。グループ最年少の23歳でじげんの前身となる会社の取締役に、25歳で代表取締役社長に就任し、27歳で独立。2013年11月東証マザーズ上場。2013 Entrepreneur Of The Year Japanチャレンジングスピリット部門大賞受賞。
じげんが考える時価総額1兆円企業への3つの条件
1:プラットフォーム事業であること
2:多領域・多地域へ展開していること
3:複数のビジネスモデルを持つこと

市場価格の100分の1で参入した転職EX

まずは既存事業である「ライフメディアプラットフォーム」事業の実情から掘り下げよう。転職EXが代表的なサイトだが、サイト構造はリクナビやDODA(デューダ)など、多くの転職サイトからデータベース提供を受けるアグリゲーションサイト。転職EXからリクナビに送客すれば課金される仕組みだ。

じげんのビジネスモデルに関しては、「人気沸騰のじげん、利益率5割超えの秘密」という記事で以前解説したが、今回は踏み込んだ内容を聞くことができた。

「いきなりドベンチャーがリクルートさんやインテリジェンスさんに『データベース提供してください』と言っても断られるのが関の山です。市場価格の100分の1でまずは参入し、送客効果が上がってきたら単価を上げてくださいという交渉から始めました。効果を上げる自信はありました」

筆者の推測では転職サイトが応募1件を獲得する広告単価は数千円台後半から数万円台前半。100分の1ということはじげんの当初の送客課金単価は数百円台であったと思われる。じげんはもともとリクルートとドリコムの合弁会社だったが、平尾氏がMBOしたという背景がある。平尾氏がリクルート出身ということもあり、リクルートと取引を始めやすかったようだ。リクルートと取引があればほかの企業との取引も始めやすい。B2Bはそういう場合が多い。

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