鋼材価格が大幅上昇 原料高が産業界を襲う

大幅な値上げ、さらに年度ではない短期契約の導入。難航を極めた鋼材価格交渉がようやく決着に向かった。新年度入りしてすでに2カ月、前年度価格という仮価格で走ってきた4~6月も、正式な鋼材価格で受け入れられそうだ。

原料交渉開始時、鉄鋼業界は年度契約にこだわったが、資源メジャーの態度は硬かった。中国などの需要が高水準に推移する中、ブラジルのヴァーレ、豪BHPビリトン、英豪リオ・ティントと寡占化が進んでおり、結束も強かった。

4~6月の鉄鋼原料は前期比で鉄鉱石が倍増、原料炭で55%上昇。スポット価格は足元こそ落ち着いているが、それでも価格が高騰した4~6月価格に近づける資源大手の意向から、7~9月分でも原料炭でさらに12・5%上昇。鉄鉱石でも2割強の値上げが予想される。

「3カ月ごと(の契約)がいいとは思っていない。今からでも年間に戻りたい。ただ、現実として3カ月ごとの価格改定を受け入れざるをえない」と鉄鋼連盟新会長の林田英治・JFEスチール社長。「原料価格の上がり方が非常に大きく、鉄鋼1社では負担できない。製品価格へ転嫁していかないと企業の存続が危うくなる。3カ月ごとの原料価格の変動を販売価格に反映していくべく、何度でも話し合いを進めていきたい」(林田氏)。適切な価格転嫁ができなければマージンが吹き飛んでしまう。

鋼材需要の低迷などから前期は、新日本製鉄や住友金属工業などが赤字を計上。神戸製鋼所も鉄鋼部門は赤字、輸出で稼いだJFEだけが黒字を守った。

今期は生産量の増加を見込むものの、肝心の製品価格が不透明な状態。このため、新日鉄や神戸製鋼は業績予想を初の非開示としてしまったほどだ。

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