リノベる、中古マンションのリノベで急成長 若年層向けマンション改修でのし上がる風雲児

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現在は国内に9拠点を構える。今後は台湾など海外進出も

山下社長はリノベーションの普及に向け、今後もリノベるの事業拡大に全力を注ぐ。

まず全国展開を加速する。現在は東京、大阪、名古屋、福岡など全国7カ所に直営のショールームを設置しているが、今期中に横浜と大宮にも出店する計画だ。フランチャイズ形式のショールームも増やす方針で、現在の群馬と熊本の2カ所のほか、今期中に5カ所程度の新しい拠点設置を目指す。さらに海外展開も模索。早ければ今年の秋にも、台湾・台北に進出する可能性がある。ベトナムのホーチミンやオーストラリアのゴールドコーストへの進出も見据える。

いずれは株式市場への上場も狙っている。「上場の準備に入っていることは事実。そんなに遠くない先を予定している。すでに証券会社を決めて監査も入っている。当社はITに強みを持ち、新興市場が適切だと思う」と、山下社長は明かす。

社員も来年3月までに90名に増やす計画だ。ただ、この社員の採用・教育こそ、今後の最大の課題になってくるだろう。というのも昨年7月、事業繁忙に伴って、あいまいな基準で採用を決めた社員が、顧客とのトラブルを招いただけでなく、他のスタッフを10人ほど連れて辞めてしまったからだ。この時の反省から、現在は「リノベる。バリュー」と称する統一の採用基準や教育方針を決め、社員の間で共有化を図る。

創業期から成長期へと突入したリノベる。課題を乗り越えて、さらに大きな企業に変貌することができるか。不動産業界での革新的なビジネスモデルとして、ますます注目が高まっている。

(撮影:梅谷秀司)

梅咲 恵司 東洋経済 記者

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うめさき けいじ / Keiji Umesaki

ゼネコン・建設業界を担当。過去に小売り、不動産、精密業界などを担当。『週刊東洋経済』臨時増刊号「名古屋臨増2017年版」編集長。著書に『百貨店・デパート興亡史』(イースト・プレス)。

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