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グローバル教育の最前線

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英語はツールにすぎないが
使いこなせるだけの力は必要

―― グローバル人材に求められる要件の一つに英語力があると考えられます。一方で、「英語はツールにすぎない」という声もあります。藤沢さんはどういう意見でしょうか。

藤沢 結論から言えば、確かに英語はコミュニケーションのためのツールにすぎません。ただし、ツールとして使いこなせるだけの英語力は欲しいところです。

私はアフリカや中東の新興国や開発途上国を訪れることが多くありますが、これらの国では最近、英語教育にとても力を入れています。たとえば、アフリカのルワンダでは、これまでの自国語とフランス語教育に加え、数年前から小学校でも英語教育が義務化されるようになりました。その背景にあるのは、同国では依然として教育に関するインフラが整っていないことにあります。教育へのニーズが高まる一方で、教員の数なども限られています。しかし、生徒が英語を理解できれば、外国から教員を呼んできたり、インターネットで外国の教員による授業を受けたりすることができるようになります。

実際に学校を訪問すると、子どもたちが、私たちに片言の英語で話しかけてきます。聞くと、その多くは、家に電気も水道も通っていないそうですが、学校に来れば、パソコンやスマートフォンで世界のトップクラスの大学にアクセスできるのです。この子たちが大きくなったら、どんな人材になるのか、とても頼もしいです。

また、サウジアラビアのある女子大学では、入試では英語力があまり問われない一方で、英語ができない学生は1年間英語の特訓を受けないと1年生になれないそうです。こういう大学ですから、教員も生徒も、ほとんどの人が英語を話せます。ノーベル賞受賞者や先進的な企業の経営者など、世界トップクラスの講師を招いた講義が通訳なしで行われ、学生が質疑応答に参加しています。日本でもこのような光景が当たり前になってほしいと思います。

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