巨人・ヤマダ電機の大胆不敵、狙うは有楽町と中国進出

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 ヤマダは遼寧省瀋陽市にある繁華街で、大型商業ビルの長期使用権を約50億円で10年3月期末までに取得済み。ここに10年末にも、池袋などで展開している都市型店舗「LABI(ラビ)」を店舗面積2500坪程度で出店する計画。さらに北京、天津などへも11~12年に合計4店程度を出店する検討を進めている。

中国大陸部への出店は家電量販業界では初めて。蘇寧などの現地量販チェーン間の価格競争が激しいことから、ヤマダの戦略性をいぶかる声は業界に少なくない。だがヤマダは4月、在日の中国人留学生100人を中国展開の幹部候補生として大量採用しており、進出の本気度は相当に高い。「日本式の手厚い接客サービスと、“ヤマダの価格”で勝負する」(ヤマダ幹部)というから、中国でも猛烈な価格戦を仕掛ける公算だ。

足元活況の家電量販業界も、エコポイント特需が消える11年以降は市場縮小が必至。ヤマダは二つの手で、来る冬を乗り越えられるか。

■ヤマダ電機の業績予想、会社概要はこちら


(杉本りうこ 撮影:引地信彦 =週刊東洋経済2010年6月5日号)

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