トヨタ、テスラと電撃提携、EV挽回に隠れた“真意”

トヨタ、テスラと電撃提携、EV挽回に隠れた真意

電光石火の提携劇だった。米国時間の5月20日夕。トヨタ自動車と、電気自動車(EV)の開発で有名な米ベンチャー企業のテスラ・モーターズが、資本・業務提携を大々的に発表した。

カリフォルニア州パロアルト市のテスラ本社で会見に臨んだのは、豊田章男社長とテスラのイーロン・ムスク会長兼CEO、さらに同州のシュワルツェネッガー知事だ。「今後とも米国でのよき企業市民でありたい」。豊田社長は挨拶の中で、州や米国政府への気配りを忘れなかった。

提携の中身はこうだ。トヨタはテスラに対して、総額5000万ドル(約45億円)を投じ、2・5%程度の出資比率を獲得。事業面ではEVや関連部品の共同開発・生産も視野に協議を進める。うちテスラは、トヨタと米ゼネラル・モーターズとの合弁工場だったNUMMI(今年4月閉鎖)を一部買収し、生産拠点にするという。

2003年にテスラを設立したムスク会長は、ロケット打ち上げ会社・スペースXのCEOなども務める、まだ38歳の起業家である。かねて関心のあった豊田社長が4月に訪米し、2人はすぐに意気投合。わずか1カ月で交渉がまとまったようだ。

もっとも、華々しく話題が先行した提携の中身を見ると、単なる事業面での損得を超えた、企業間のさまざまな思惑もまた浮かび上がる。

「テスラは2世代前の古い技術。トヨタ側がもらう技術はあるのか」と冷ややかに分析するのは、アドバンスト・リサーチ・ジャパンの遠藤功治ディレクターだ。

テスラが08年に鳴り物入りで投入したのが「ロードスター」である。価格は日本円で1000万円以上。それでも俳優のジョージ・クルーニーらセレブの人気を集め、20カ国もの富裕層に1000台超を売り切った。4月には日本での受注も開始した。

しかし、EVの心臓部である電池については、テスラ自身が開発したわけではない。

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