三菱重工の自信作、「さやえんどう」の秘密 台風余波で大荒れの長崎に行ってみた

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岸壁に「さやえんどう」が並ぶ

市街地から車で香焼工場に向かう。マイクロバスの窓から見える看板には『ドック』『製綱』『ロープ』などの文字が含まれた社名が目立ち、ここが造船の街であることがよくわかる。

視界に、長崎湾にかかる大きな橋、女神大橋が飛び込んで来た。海面からの高さは65メートルと、豪華客船も背の高い帆船もくぐることが出来るように造られている。もともとこのあたりの水深は深いので大型船の航行に問題はない。やはり造船の街なのだ。否が応でも、工場見学への期待は高まっていく。

その工場の規模の大きさを、現地に着いたボクは車から下りる前に知ることになった。

工場建物の中もバスで移動

ご案内くださる三菱重工の石黒正浩さんが「まずは鉄板の切断工場、それから、溶接工場をご覧いただきます」と言うのでマイクロバスから降りる準備をしていると、バスはそのまま、工場建物の中へ乗り込んでいく。

建物の中に、バスで入るとは。と、驚いているのはこちらばかり。そこで働いている人たちに、特に変わった様子は見えない。大きな船造りが専門の人たちにしてみると、ずいぶんと小さな乗り物が紛れ込んで来たなという感じなのだろうか。切断工場ではクレーンがひっきりなしに動き、月に約2万トンの鉄板をカットする。溶接工場ではロボットラインが稼働している。

この2工場で切られ溶接されたパーツは、工場の敷地内にいったん溜められ、それから、組み上げの現場であるドックに運ばれる。

パーツと言っても重さはトン単位。大型タンカーでは、1隻あたり4万トン近くの鉄を使っているという。

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