ファミマ、期限切れチキン問題で打撃 現地で何度も調査してきたが”裏切られた”

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都内のコンビニ。レジに『お詫びとお知らせ』と題し、販売中止の張り紙がされていた

ファミリーマートにとって寝耳に水だろう。よりにもよって取引を始めた途端、仕入れ先の中国企業で問題が噴出した。

現地報道で発覚した上海福喜食品の期限切れの鶏肉使用問題を受け、7月22日にファミマでは上海福喜食品に製造委託していた「ガーリックナゲット」と「ポップコーンチキン」の販売中止を発表。中山勇社長は23日、「中国は食の問題が多く、特に厳しい基準を設けていただけに、大変ショックを受けている」と話した。

厚生労働省によると、7月21日までの1年間に上海福喜食品から約6000トンの製品が日本に輸入されており、現在のところ日本マクドナルドとファミマ以外に流通先はないという。

「今回は裏切られた」

ファミマは上海福喜食品と5月から本格的な取引を開始したばかり。2商品の製造を委託し、計200万食分を仕入れて7月1日から順次発売していた。しかし今回の一件で急きょ販売中止を決定。ポップコーンチキンに至っては21日の発売翌日に撤収を強いられた。仕入れた分のうち約120万食は販売済みだったが、健康被害などの相談は寄せられていない。

 上海福喜食品と取引を開始するにあたり、ファミマと同社の筆頭株主で輸入を仲介していた伊藤忠商事は、昨年7月以降、数回にわたって現地調査を行っている。製品の品質管理体制や衛生面などおよそ50の項目をチェックしたほか、「原料についても見た目や色、においに異常がないか見識のある者が確認をし、帳票も調査した」(伊藤忠広報担当者)。また、取引開始後も立会いを行うなど定期的な視察を実施してきた。そうしたこともあり、ファミマの中山社長が「ビジネスは信頼関係に基づいて行われる。しかし今回は裏切られた」と言ったのだろう。

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