第3のビールでキリンが「ど真ん中」新商品、「スーパードライ」の強敵に?

第3のビールでキリンが「ど真ん中」新商品、「スーパードライ」の強敵に?

ある意味大きな戦略転換だ。キリンビールは26日、来月21日に第3のビールの新商品「キリン 本格<辛口麦>」を発売すると発表した。同分野の商品が膨らむにつれて、「よりビールに近い味」を求める消費者が増えたとして、コアなビールファンに向けた「ど真ん中」の商品で最盛期の勝負に挑む。

「これまでセグメンテーションのマーケティングをやってきたが、オールマイティにはなっていない。ここで戦略を切り替えて直球勝負で臨むことにした」(佐藤章マーケティング部長)。

その言葉通り、今回はのどごしやキレなど、よりビールの味を意識した商品を開発。ターゲットも40代以降のビール愛飲者を中核に据える。会見中は、終始「大型新商品」とアピール、テレビ広告など一連のマーケティングも同社の看板商品である「のどごし<生>」導入当時並みに展開する、という気合いの入れようだ。

キリンが戦略転換を図ったのには理由がある。

第3のビール市場が伸びる中で、各社とも最近は看板商品に次ぐ「第2の柱」を確立しようと必死だ。味や機能性などを工夫した新商品を、昨年来矢継ぎ早に投入してきている。かく言うキリンも、昨年6月の「コクの時間」から今年3月発売の「サウザン」まで、この1年間で3つの新商品を発売。新たなニーズに対応する戦略をとってきたが、結果的には「ニッチな価値になっていた」(佐藤氏)。そこで今回、ニッチ攻めから一転、ど真ん中勝負に切り替えたというわけだ。

今回、キリンは最近増えているというビールと第3のビールの「併飲者」を狙うとしているが、ここで影響を受けそうなのがアサヒビールの「スーパードライ」だ。

そもそも、「辛口」といえばスーパードライの代名詞。低価格化志向のあおりを受けて販売数量こそ減り続けているものの、「ビールといえば」という根強いファンも多い。そこへ「本格的」かつ「辛口」をうたい、ビールの約半額という商品を投入するとなれば興味をそそられる飲用者も少なからずいるはず。キリンは真っ向勝負との見方はしていないものの、それなりに意識してこの層を狙っていると思われる。

いよいよ夏場に向けてビール最盛期を迎える。まずはキリンが「大型商品」で先手を打ったが、これに各社がどんな対抗策を打ってくるのか注目だ。

(倉沢 美左 =東洋経済オンライン)

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