日本一「リッチ」な村の手厚いコロナ支援の中身 水道基本料金免除、高齢者に商品券1万円…

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注目は飛島村のこれまでの住民へのコロナ支援策と、今年度予算に盛り込まれた支援策だ。昨年度、村独自で行った主な支援策は次のとおりだ。

※ 村民へのマスク無料配布    住民1人に対し不織布マスク5枚
※ 水道料金基本料金免除     2020年8月利用分から2021年
                 1月利用分まで6カ月分
※ ひとり親家庭等への特別給付金  対象児童1人当たり3万円
※ 新生児子育て給付金      新生児1人当たり10万円     
※ 飛島学園給食費の一部無償化  6カ月分を無償化
※ 村感染症対策等応援金(老人福祉施設、病院、薬局など) 50万円など    
※ 村内施設に検温カメラ設置   すこやかセンター、公民館などに10
                 基設置
※ 村外学生生活応援給付金    1人につき5万円(家賃1万円/月×5
                 カ月)
※ 高齢者生活応援事業      65歳以上対象 1万円の商品券
赤ちゃんからお年寄りまで、住民へのコロナ支援策の充実ぶりには目を見張るものがある。

今年度も「手厚い支援」

2021年度は引き続きコロナ対策もあり、予算を大幅に増額した。特別会計を含めた当初予算の総額は約76億円で、前年度比30%増(前年度補正後との比較では8%増)となっている。同村では小中一貫校「飛島学園」を建設した2009年度、すこやかセンター大規模改修などを行った2017年度に次ぐ、過去3番目の大型予算となった。ちなみに一般会計約63億円のうち約84%は自主財源だ。

今年度も住民へのコロナ支援に力を入れている。コロナ対策関連は次のとおり。

①プレミアム商品券発行支援 予算491万円 プレミアム率20%
②ひとり親等応援特別給付金 予算150万円 対象児童1人につき3万円 
③村外学生生活応援給付金  予算150万円 対象者1人につき5万円
④学校給食費軽減      予算538万円 4-6月 3か月分無償化

これらの支援策に加えて今年度の補正予算で学校給食費の無償化3カ月分追加(予算538万円)、新生児子育て給付金1人10万円(同350万円)などが盛り込まれ、23日の村議会で可決された。

一連の手厚い住民支援策について、飛島村役場の担当者は「子育て世代から高齢者まで、幅広く平等に村の歳入を還元していくというのが基本的な考え方です」と説明する。村を挙げてコロナ禍に立ち向かっている様子がうかがえる。

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