学歴と転職回数の多さがコンプレックスです まず現在の職場で認められよう

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横展開できる力やスキルを身に付けよう

ご質問者様は、ご自身では「派遣の領域を超えて、分析なども手掛けている」「複数の業界や企業を経験している」と書かれていますが、その分析力は現在の会社でどのように評価されていますか? また、「複数の業界を経験している」ことで、何か具体的業務に貢献していますでしょうか?

そして、経理に携わっておられるということですので、たとえば、分析力を駆使して会社の資金や経費、資本効率の改善に寄与した、他業界・企業のやり方を導入して月次決算の締めのスピード向上に寄与した、またはそれまでになかった管理会計の仕組みを作り上げた――等々の実績をお持ちでしょうか?

もしお持ちでないのであれば、そういった実績を作り、現在の会社で認められることをまずは目指しましょう。それこそが、学歴などという仕事とは関係のない要素で判断されないための絶対基準です。なお、ここでいう実績とは、自分が頑張ったという自己評価ではなく、他人からも評価される実績です。

私は『非学歴エリート』の中でこうした実績を「武勇伝」と名づけ、転職するには、現在の会社固有の業務やスキルでなく、別の会社においても「横展開できる力やスキル」が重要だと述べました。そういう実績やスキルがないと、どうしても数多くいる転職者の海におぼれることになります。

先ほどの話に戻しますと、現在の会社で認められること、イコール転職先への前職からの「品質保証」なわけです。この仕事における品質保証がないと、どうしてもその他の「疑似保証」たる学歴やらが見られてしまうことになります。

逆に言えば、仕事における確固たる実績さえあれば、少なくとも学歴が評価対象の主要部分を占めるようにはならなくなります。「アシスタントレベルでいたくない」と書かれていますが、アシスタントレベルの仕事をきちんとこなし、プラスアルファの仕事をして、現在の周りに認められる、というのが、学歴や転職回数を突破しうるいちばんのキャリアだと思います。

キャリアとは、どこの会社にいたとか何回転職したとかではなく「何を成し遂げてきたか」「どう成長してきたか」であり、その軌跡は、現在の会社におけるご自身の仕事ぶりと与えられる評価に現れるのです。

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