高級ブランドの会員制ネット通販「ギルト・グループ」、米国と日本で急成長の理由

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 今でこそ、複数の「招待制ファミリーセールサイト」が登場しているが、少なくとも日本では、このビジネスモデルはギルトが最初だった。他社に先駆けてブランドとの強固な関係を築き上げた結果、よりよい商品をより安く仕入れることができる。「いち早く他社とはまったく異なるポジションを築き上げた」とライアン氏は胸を張る。

eコマースの業界で、ナンバー1企業を打ち負かすのは並み大抵のことではない。たとえば、米ネットオークションサイトの「イーベイ」は10年前も今もナンバー1のポジションを譲っていない。1996年に米国でネット広告配信会社・ダブルクリックを設立したライアン氏は、ネット業界における先行者の優位性を心得ている。

「96年の創業後、97年には35社の競合が現れた。が、その2年後に競合はわずか3~4社になってしまった。そのよくできたビジネスモデルは、すぐに誰かが学んで参入してくるが、こちらはそれよりも早く成長できたというわけだ」。

3カ月間に50人採用、重要なのは人材

07年に2人の女性が始めたギルト・グループは、08年12月には80人の従業員を抱えるようになった。そして、今や売り上げの急拡大に伴い、400人もの従業員がこの会社で働くまでになった。3カ月間に50人のペースで採用を行ってきたという計算になる。ただし、今現在はそのペースを少し落とし、男性向け衣料品、女性向け衣料品、生活雑貨、旅行など、主要なビジネスエリアの基盤づくりに徹しているという。

ライアン氏は、「急成長する会社において最も重要なのは人材」と断言する。そのために、1週間の労働時間のうち約20%を人材採用に費やしている。昨年採用した300人のうち、50人の面接はライアン氏自身が担当した。

面接において重視する点は、主に3つあるという。第1に、前職でどのような成功を収めたか。第2に、ギルトで働くに当たって適切な経験を持っているか。そして、最も重視するのが、その人がギルトという会社のカルチャーに合っているかという点だ。

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