ムーディーズがトヨタ自動車の格付けを引き下げた理由《ムーディーズの業界分析》


格付け見通しを安定的とするために必要な条件

ムーディーズは、トヨタ自動車の格付けの見通しを安定的とするためには、次の点を考慮する。
a)トップライン(売上高)が成長軌道に戻ること、また、営業利益率が持続的に5%以上の水準へと回復する証左が得られること。
b)高品質で信頼できる製品を生産するメーカーとしての信用の回復。
c)リコール問題に関連する訴訟や、その他関連費用についての見通しがより明らかになること。

一方、重大な品質問題がさらに発生し、トップラインの成長が11年中に回復せず、営業利益率が12年3月までに5%超の水準に回復しそうもない場合、格付けにはさらなる下方圧力がかかるだろう。さらに、現時点では想定していないことだが、訴訟関連等の費用によって、バランスシートの流動性が大きく毀損した場合にも、格下げへの圧力を引き起こすだろう。

前回の格付けアクション

トヨタ自動車に対するムーディーズの前回の格付けアクションは10年2月9日で、トヨタ自動車および同社の信用補完付き子会社の無担保長期債務格付けAa1を引き下げ方向での見直しの対象とした。

関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
発電所のアキレス腱<br>盲点の火山灰リスク

「電力の大問題」最終回は火山灰がテーマ。地震や津波と比べて、社会インフラへの影響は見過ごされがちだったが、発電設備への被害が予想外に大きくなる可能性がわかった。