中国ギョーカイ女子の「離婚事情」 共産国の結婚事情、ぶっちゃけトーク(下)

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――ああ、なるほど……。ところで話がそれましたが、沈雅范さんがエンジニアの彼と別れたのは地方大学出身だったからですか?

:いえ、それはごく小さなことです。当時、30歳で結婚することが私の目標でした。彼と付き合ったのはまもなく30歳になろうというときで、焦りもありました。出身校はともかく、見た目もいいし、会社も持っているし、留学経験があってちょっと品もいいということで、総合的な条件ではまあまあかなと、あまり彼を理解しないまま、結婚を急いだのです。

でも彼は賭け事をする人でした。それも中毒レベル。一緒に暮らすまで全然気づきませんでした。しかも1度は許して、1年の猶予を設けたのに、彼はもうやめたといいながら、私に隠れてやっていました。もうこれはダメだと思いました。家も買って、式場も予約して、招待状まで出していましたが、全部、白紙に戻しました。

――それは大変な経験でしたね。

:両親も巻き込んで大騒動でしたよ。これがたぶん、その後の恋愛に影響していると思います。男の人が信じられなくなって、今でもトラウマです。

でも彼のことは、何より私自身のせいだと思います。自分に対して責任がなさすぎました。それでちょっと頭を冷やそうと思って、今は休憩中です。自分がどんな相手を必要としているのか、もう1度クリアにしたいと思っています。

:とりあえず、いろいろ付き合ってみたらいいのに。ほら、この間、紹介したオックスフォード出身のイギリス人の彼はどう? 中国語も話せるし、何より貴族!

:貴族なんて、私の身に余るわ。それに私より3歳も下じゃない。浮気されそうで怖い。

:私の知り合いで、少し前に奥さんと別れた男性がいるけど、どうかしら。たしか私より3つ上。上海の復旦大学を出て、イギリスかアメリカに留学していたと思う。建築家で理系だから、条件的にはぴったりね。

:別れた理由は?

:彼女の束縛が厳しくて、嫉妬もすごくて、耐えられなくなったんだって。彼はとても細やかな気遣いのできるよい人よ。彼女はそれに甘えてしまったのね。

:かっこいい?

:うーん、かっこいいというよりかわいい感じ。少し太め。

:ああ、それはだめだわ。

:会ってもみないで、だめかどうかわからないでしょ。

:太っている人は生理的にどうしても受け付けないのよ。

:また、そんなこと言って。先日、紹介したドイツ人も、アウトドア派で合わないと言ってたわよね。

:私、体弱いから、バックパック背負って旅行とか無理!

:別にあなたにバックパック背負って旅行に行けといっているわけじゃないでしょ。一度、何でも試してみたらどうかということ。

:Have funよ! Enjoy! Have fun! 別に何も無理に結婚する必要はないけれど、誰か一緒にいる人がいるというのはいいものよ。

:そうねえ。まあ、あと2年くらい中国にいて、相手がみつからなかったら、カナダに行くわ。

――なぜまたカナダ?

:あちらの男性のほうが、中国の男よりちょっとだけ単純だと思うの。それに私はカナダが好きだわ。特にトロントが大好き。カナダで結婚相手を探すこと、これが私の次のプランね!

田中 奈美 ルポライター

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たなか なみ

東京都生まれ。2003年より北京に留学。中国の社会生活やビジネスに関するルポを各紙誌に発表。著書に『北京陳情村』(第15回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作)『中国で儲ける―大陸で稼ぐ日本人起業家たちに学べ』(新潮社)がある

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