東武200型「りょうもう」伊勢崎線を駆けた30年 スペーシアより地味でも足回りは"デラックス"

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特急「りょうもう」で活躍する200型(記者撮影)
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東京都心の浅草と栃木・群馬両県の都市を伊勢崎線経由で結ぶ東武鉄道の200型特急「りょうもう」は、白い車体に赤のライン、先頭部が「くの字」にとがったデザインが特徴だ。そのシンプルかつ、スマートな外観は登場から30年を経ても色あせた印象を与えない。

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東武の特急と言えば、同時期にデビューした日光線の特急「スペーシア」(100系)がまず思い浮かぶ。個室を備えるなど観光需要に対応し、金色に輝く車体の「日光詣スペーシア」の編成が存在感を放っている。海外でも名の知られた日光・鬼怒川エリアへの足として活躍、同社のフラッグシップの位置づけだ。

足回りは「東武のロマンスカー」

一方、りょうもうが走るのは日光線と東武動物公園駅で分かれた伊勢崎線・桐生線・佐野線。主に浅草―赤城間で運行している。沿線にはSUBARU(スバル)や大手食品メーカーなどの生産拠点が点在しており、仕事での利用客が多い。スペーシアと比べると、ビジネス特急の要素が強いりょうもうは地味な存在だが、その足回りには“デラックス”な一面を持ち合わせている。

“東武の顔”だった 1720系「デラックスロマンスカー(DRC)」 (写真:東武鉄道)

200型は1991年2月1日にデビューした。台車や床下機器はかつて日光線の特急で活躍した1700系・1720系から引き継いだ。1720系は「デラックスロマンスカー(DRC)」の通称を持ち、東京都心―日光エリアの観光客輸送で熾烈な競争を繰り広げていた国鉄のデラックス準急「日光」(157系)に対抗して1960年に登場した。

1720系はボンネットスタイルの外観に、ジュークボックスを置いたサロンルームもある豪華な内装で、国鉄に対する形勢逆転に貢献した。1990年にスペーシアが登場するまで東武特急の「顔」を担ったが、台車などの足回りはそこからさらに30年、今度は200型として伊勢崎線方面のビジネス需要を支えることになった。

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