はやりの「部門横断」仕事が持つ、2つの効用 「面倒な仕事が増えるだけ」か、「成長する機会」か

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 最近、プロジェクト型の仕事が職場で増えています。そう感じるのは取材で「○○プロジェクト」と呼ばれる取り組みを頻繁に耳にするから。先日もシステム系会社で

《業務改善プロジェクトを全社横断で立ち上げました》

と語る人事部長に会いました。あなたの会社ではプロジェクト型で行われている仕事はありますか? また、プロジェクト型の仕事に関してどのような印象をお持ちですか?

面倒だが、大きな達成感が待っている

「プロジェクト」という言葉を聞いて、NHKの「プロジェクトX~挑戦者たち~」を思い出す人も多いのではないでしょうか。新製品・技術開発にかかわり、無名ながら偉大な功績を上げた人々のドキュメンタリー番組。中島みゆき氏が歌うオープニングテーマ「地上の星」も印象的でしたが、何よりも情熱を込めて仕事に取り組む姿に心躍った人が多かったのではないでしょうか。

では、そのプロジェクトは、いったいどのようにして行われているか? たとえば、ネット通販事業を立ち上げることになったワイン輸入商社のケース。立ち上げるからには成功しなければと意気込んでいます。そこで、自社商品の強みを生かして、ターゲットを絞り込み、的確なプロモーションを誰が考えるのか? 外部の開発会社にだけ任せておくわけにはいきません。本件を成功に導くため

・物流運用
 ・営業企画

と業務上で関係する社内の人材をアサイン(指名)することになります。こうして、アサインされたメンバーでチームを組成。このチームが外部の開発会社と連携しながら仕事をするするプロジェクトで、組織横断で取り組むのが特徴です。

また、期間限定、本来の業務とは別に「臨時」でチーム編成する場合が大半。当方も編集長時代にプロジェクトに参加したことがあります。テーマは「大手検索サイトとの提携」。半年間で提携の方向性を整理するのがミッションでした。1日のうち、3分の2は本業の仕事をしながら、3分の1だけプロジェクトワークをしていましたが、なんとプロジェクトメンバーは編集長ばかり。自分の組織を背負いながら、全社的な仕事に取り組むので、

《利害関係が複雑で調整が大変。ただ、調整できた後に大きな成果が待っていた》

と記憶しています。部門を超えた仕事ゆえ、スケールの大きな仕事をする機会となりました。当方の経験にかぎらず、一般的にプロジェクト型の仕事は社内的にも重要、かつ全社的に影響力の大きいテーマが選ばれる傾向があります。

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