富士通の“不可解な事件”と経営トップ--トップの仕事は「部下の働き」を曇りなき目で見ること

富士通の不可解な事件と経営トップ--トップの仕事は「部下の働き」を曇りなき目で見ること

戦国期の武士が、戦場で旗指物を背負って戦ったのはなぜか。

馬に乗ってやりを持って敵と戦うのに、重たい旗指物を背負うなどは動くのにたいへん不便である。動くのに不便なら、敵にやられてしまう可能性も大きくなる。それでもそんな不便さにもかかわらず旗指物を背にしたのは、自分の頑張りや仕事ぶり・働きぶりを大将に見せるためである。

大将は、旗指物を背にした武士たちの働きぶりをしっかり見ていることが重要な仕事になる。大将がしっかり見ていないなら、旗指物などを背にしているのは愚の骨頂でしかないからだ。

部下の働きを曇りなき目で見ているか

経営者トップは、部下の働きを曇りのなき目で見ている必要がある。

ところが、日本の企業経営者は、部下の働きをしっかり見ていないケースが少なくない。 ある経営者と社内の部下について話したことがある。その経営者は中堅の女性社員の働きについては詳しかった。評価もプラス思考だった。

「うん、Aは仕事ができる」「Bはなかなか頑張るよ」「Cは安心して任せられる」--と、いった具合である。いくらでも話が尽きない。さすがによく見ている。

ところが、男性社員の働きや仕事については評価がとたんに厳しいものに変わった。 「Dはいかん」「Eは少し不安だな」「Fは大丈夫かな」

ひどいのは、Gという中堅の男性社員について、「Gは知らんな。Gという社員は、どんな人だったかな。そんな社員はいたのかな」。従業員は400人規模で、最近は中途採用などが頻繁化し、いちいち社員の顔やキャリアを覚えていないということかもしれない。

見ることが的確な用兵・人事につながる

しかし、それでは経営者としては問題が少なくない。

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