松山の「マスターズ制覇」が火をつけたゴルフ熱 ゴルフをする若い世代が今後増えていくか

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マスターズ優勝の影響が如実に現場に表れてきている。日本のゴルフ用品市場はレジャー白書によると3440億円(2019年)。コロナ禍で「3密」を避けられる屋外スポーツのゴルフを始める若者が増えて、初心者セットが売れてきているが、さらに松山のマスターズ優勝の追い風である。

さらにゴルフ場やゴルフ練習場にも波及している。千葉セントラルゴルフクラブの大谷弘子支配人は、「松山優勝の後、予約がこの1週間で5%増えて、次の週末は問い合わせが多くお断りしている状況です」と、松山の優勝でゴルフマインドに火がついたのではないかと話していた。

全日本ゴルフ練習場連盟の横山雅也会長は「松山プロのマスターズ優勝のあと、子どもにゴルフをやらせたいがどうしたらよいかとの問い合わせが増えてきた」という。いくつかの練習場にも聞いたが、松山優勝の後にゴルフマインドを刺激されたのか、優勝が伝えられた月曜日に来場者が多かったとのことだ。

ゴルフのさらなる起爆剤に

松山は勝利インタビューで、「僕がメジャーチャピオンになったことで、今までだったら『日本人はできないんじゃないか』という思いを覆すことができたと思う。そういう子たちにももっといい影響を与えられるよう、僕もまだ頑張っていけたらと思う」と話していた。ゴルフに興味を持ってくれる子どもが増えるきっかけになればよいと思う。

3年前に筆者がマスターズでゲーリー・プレーヤーに、どうしたら日本のゴルフを盛り上げられるかを聞いたときに、ゲーリーは「俺を見ろ。メジャーチャンピオンが出れば、子どもたちがゴルフに興味を持ちゴルフをする若い世代が増える」と語っていた。

さらにそのとき、日本人で誰がなれるかという質問に「MATSUYAMA」と答えてくれた。それが今実現した。松山英樹がメジャーチャンピオンとして、グリーンジャケットを着て4月14日に凱旋帰国したリモート会見で「オリンピックで金メダルを狙いたい」と前向きな発言をした。

マスターズに続き、オリンピックで金メダルを取れば、ゴルフのさらなる起爆剤になることは間違いない。

嶋崎 平人 ゴルフライター

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しまさき ひらと / Hirato Shimasaki

1976年ブリヂストン入社。1993年からブリヂストンスポーツでクラブ・ボールの企画開発、広報・宣伝・プロ・トーナメント運営等を担当、退職後、ライターのほか多方面からゴルフ活性化活動を継続。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

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