性的虐待問題に揺れるカトリックの時代錯誤--イアン・ブルマ 米バード大学教授/ジャーナリスト

今年に入り、カトリック聖職者による「未成年者への性的虐待」の告発が欧米で相次いでいる。

ローマ法王ベネディクト16世はアイルランドのカトリック教徒に対して謝罪し、なぜ罪深き神父たちが子供たちに対して性的な誘惑に駆られたのかをこう説明した。

「アイルランド社会の急激な変化と宗教の世俗化は、われわれの信仰にかつてない重大な課題を突きつけている。急速な社会変化が、伝統的なカトリックの教えと価値観を守ってきた人々の信仰に悪い影響をもたらしている」

神父による子供の性的虐待はアイルランドに限ったものではなく、他の多くの国でも見られる。社会的な変化と宗教の世俗化が、宗教的価値観に影響を及ぼしているのはアイルランドだけの問題ではない。こうした事態が性的な罪を犯す原因になっているのかもしれないが、それは法王が信じている原因ではない。

神が絶対的な権威を持ち、大多数の人々が神父を道徳的な指導者と信頼していた伝統的な時代には、性的行為は政治的権力によって規制されていた。キリスト教徒は罪を信じ、教会に支えられていた価値観に敬意を払っていた。

しかし、神父を含む特権的な人々には偽善という抜け道が与えられていた。裕福な人々は愛人を持ち、大学教授は学生と不倫をし、地位の低い田舎の神父でさえ手近な女性の召使いと性的な関係を楽しんでいた。

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