(第33回)<杉山愛さん・後編>テニスで学んだことは人生に置き換えられる

(第33回)<杉山愛さん・後編>テニスで学んだことは人生に置き換えられる

●プロテニスプレイヤーになり、転校

 高校1年から2年までの高校生活は、スポーツ科ということもあり、友人もみんな何かしらスポーツをやっていました。競技は違っても共通点があり、みんなの活動から刺激をもらいながら学校生活を楽しみました。

 高校2年生の時にプロになりました。プロになってしまうと高校の大会には出られません。プロの大会に出場しても公欠扱いにならないので、勉強の成績は良い方だったのですが、出席日数などの問題で学校を辞めざるを得なくなってしまいました。
 みんなが「出席日数あげるからいろよ」とか言ってくれて……。でも結局は、通信制の学校に転校し、最後の1年の単位を2年かけて取得、卒業しました。高校生活は、実質4年でした。

●今しかできないことをする

杉山愛  高校を転校するのは、とても残念なことでしたが、私にはプロテニスプレイヤーになるという夢がありました。17歳でプロになるのは日本では当時珍しかったと思いますが、世界では同年代の選手がプロで活躍していました。ですから、テニスは今しかできないけれど、勉強は現役を引退してからでもできると思い、高校を転校する決断をしました。迷いは何もなかったです。

 私が入学したいと思った高校の通信制は定員が少なく、その年は編入は受け付けないかもしれないと言われていましたが、入学できることになり、やっぱりツイテるなあと思いました(笑)。学校は家から近く、スクーリングもあまりなく、遠征先からでもレポートを学校に送れるということで、自分には良い環境でした。一方で、しっかり勉強をしないと卒業できないという厳しさもありました。
 学校では担任の先生がテニス活動を大事に考えてくれ、スクーリングの日もテニスと両立できるようスケジュール調整をしてくださいました。今でも感謝しています。

●コーチの技術だけでなく人間性に惹かれて師事

 私にはいわゆるコーチ以外に、その時その時でプライベートコーチがついています。テニスの技術だけが優れているコーチに習うのではなく、人柄や考え方など、人間性に惹かれる人にプライベートコーチをお願いしています。テニスのコーチというのは学校でいう先生みたいなもの。プレイヤーに一番大きな影響を与える存在ですから、テニスだけが良ければいいのではありません。

 テニスは、メンタルスポーツなので、心・技・体すべてのバランスが整っていなくてはなりません。小学生の時は、いろんなことを深く考えてテニスをしていませんでしたが、プロになってからは違います。気持ちの部分でも大きな人間になりたいとか、そのようなことを意識します。そうなると、普段の態度やコーチとのコミュニケーションなど、テニス以外のところも重要になります。生活や練習態度で注意されることがよくあります。
 テニスアカデミーでは、きちんと挨拶するとか、感謝する気持ちを忘れないとか、友達と上手に付き合うとか、まるでそこが学校であるかのように、人として基本的なことを指導されます。ここでは、目標を同じくする仲間と切磋琢磨しながら、多くのことを学びました。
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