ドラッカーと『論語』の意外な共通点とは?

『もしドラ』ファンなら、論語にも挑戦してみよう

 孔子の『論語』と、ドラッカーの『マネジメント』。両書は、いわば「経営者の教典」だが、常に難解というイメージがつきまとう。だが、約40年にわたり双方を研究してきた安富歩・東京大学東洋文化研究所教授は、「『マネジメント』を読み解くためには、『論語』をサブテキストに用いることが一番の近道だ」と語る。
 同教授は、このほど上記を主なテーマにした『ドラッカーと論語』(東洋経済新報社)を上梓。このコラムでは、実に2500年もの時を隔てた、孔子とドラッカー双方の理解を深めるための、「ヒント」を探る。

もし、ドラッカーが『もしドラ』を読んだら!?

ドラッカーと「論語」の意外な共通点とは?(Claremont Graduate University/AP/アフロ)

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という優れた小説がある。

岩崎夏海氏が書かれたもので、300万部近い驚異的な売上を誇り、映画にも漫画にもソフトにもなった、大変なヒット作である。

しかも単なる小説ではなく、ドラッカーのマネジメント思想を広く紹介する、という思想的意義を持つ作品でありながら、ここまでの成功をおさめたのは、まさに驚異的といえる。

もし、あなたが『もしドラ』を読んだのであれば、あるいは映画や漫画やソフトを楽しんだのであれば、『ドラッカーと論語』を楽しんでいただくことができるはずである。というのも、本書は、『もしドラッカーが「もしドラ」を読んだら』という話から始まっているからである。

実は『もしドラ』は、タイトルに「偽り」がある、と私は考えている。というのも、主人公の女子高校生川島みなみは、ドラッカーの『マネジメント』を読んではいないからである。彼女が読んだのは、それを上田惇生氏が要約して翻訳した『マネジメント【エッセンシャル版】』である。ドラッカーのオリジナルの思想と、上田惇生氏による日本人向けリミックス版との間には、実は大きな違いがある。この違いが、本書の一つの重要なテーマである。

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