みずほ、システム障害の続発が招いた異常事態 頭取の交代は取り消し、営業改革も着手できず

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ところが、システム障害によって、これらの改革も「いったん見合わせ、期初の(システムの)安定稼働状況を見極めたうえで実施する」(坂井社長)。トラブルを繰り返すシステムの呪縛によって、みずほの改革はますます遅れることになった。

構造改革に再度アクセルを踏むためには、システム問題の根本的な解決が不可欠だ。会見では、外部の専門家で構成される第三者委員会を設置し、原因究明、再発防止策策定にあたると発表した。社外取締役で構成される「システム障害対応検証委員会」も設置し、再発防止策の検証を行うことになる。

人員を呼び戻してシステム部門強化

現場レベルでも、「勘定系システム移行を経験した人材を呼び戻し、増員しようと考えている」(みずほFGの石井哲専務)。まさに総動員で問題解決に臨む。

調査結果をふまえて再発防止策を策定する時期については「現時点で申し上げるべきではない」(坂井社長)としており、肝心の構造改革に着手するタイミングはまるで見通せない状況だ。調査を経てどれだけ詳細な説明がなされ、2度と障害が起きないという証明ができるかが、信頼回復のカギとなる。

藤原 宏成 東洋経済 記者

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ふじわら ひろなる / Hironaru Fujiwara

1994年生まれ、静岡県浜松市出身。2017年、早稲田大学商学部卒、東洋経済新報社入社。学生時代は、ゼミで金融、サークルで広告を研究。銀行など金融業界を担当。

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