「ベンツ」を射止めたルノー・日産の腹案、実利を優先した現実的提携の正否

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メルセデス・ベンツのラインナップで小型車といえるのはAクラスとBクラスだが、この2車種が世界販売台数に占める比率は2割にすぎない。2人乗りの小型車ブランド「スマート」を合わせても3割程度だ。しかもその比率は、Bクラスを発売した05年をピークに低落が続く。

英調査機関JATOが発表しているブランドごとの平均CO2排出量ランキングでは、メルセデス・ベンツは10位に甘んじる(下表)。

ダイムラーにとってさらに頭が痛いのが、高級車の代名詞であるメルセデス・ベンツの威光に陰りが見えてきたという事実だ。

昨年のベンツの世界販売台数は14%減。世界全需の4%減と比べて落ち込み幅が大きい。上顧客だった金融機関に勤めるホワイトカラーを、リーマンショックが直撃したのだから無理もない。だが、ライバル他社より落ち幅が大きいのが問題だ。

価値観の変化で低落したベンツの神通力

日本では、鼻先にスリーポインテッド・スターを付けたベンツが、今日もわがもの顔に街を行き交っている。国内でベンツ・BMW・アウディという高級車3大ブランドに占めるベンツのシェアは4割近い。

これが地元・欧州になると、形勢は逆転する。06年以降シェアは頭打ちとなり、その後は下降の一途をたどる。昨年にはついにアウディに抜き去られた(下グラフ)。

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