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―― 昨年5月には省エネ法の改正案が成立しました。改正のポイントは。

福田 大きく2つのポイントがあります。1つは、「建築材料等に係るトップランナー制度」、2つ目は「電気の需要の平準化の推進」です。

「トップランナー制度」は、1998年の省エネ法改正に基づき導入された制度で、家電や自動車等の製品について、現時点で最も消費電力量や燃費等が優れている製品(トップランナー製品)を超える数値基準を定め、製造業者・輸入業者に対して、3~10年程度先の目標年度において、この基準を満たすことを求める制度です。ただし、そのためにどのような技術開発等を行うかは各企業に任されています。企業が自由な発想を生かし、革新的な技術開発を行うことも期待されます。現在、自動車、エアコン、テレビ、冷蔵庫など28機器に、断熱材を加えた29の製品が対象となっています。

トップランナー制度の導入により、ガソリン乗用自動車は約74%(96↓12年度)、エアコンは約30%(01↓12年度)の効率改善が図られました。

トップランナー制度に関連し、消費者が購入時に製品の省エネ性能を認識・比較できるようにするための「ラベリング制度」も実施しています。「省エネルギーラベル」は、トップランナー制度の対象となった製品のうち、特に一般消費者の利用が多い家庭用機器を中心とした21機器の表示事項などをJIS規格で規定するものです。また「統一省エネルギーラベル」は、エアコン(家庭用)、テレビ、冷蔵庫、電気便座、蛍光灯器具(家庭用)を対象に、省エネ性能を5段階の星マークで表示するものです。

―― 建築材料等がトップランナー制度の対象に追加された狙いは。

福田 これまでのトップランナー制度は、エネルギーを消費する機械器具が対象でした。しかし、自らエネルギーを消費しなくても、住宅・ビルなどのエネルギーの消費効率の向上に貢献する製品があります。これらを新たにトップランナー制度の対象に追加しました。既に断熱材を指定したほか、窓を構成するサッシ、ガラスについて、要件等の検討を行っています。

実は、わが国の住宅の断熱性能基準は、欧米と比べると低いのが現状です。同緯度の都市を比べると熱損失係数で約40%の差がある都市もあります。熱の出入りが大きい開口部や壁などに、高性能の窓や断熱材等を導入することで省エネ性能を上げることにつながると期待しています。

―― 「電気の需要の平準化の推進」とは何ですか。

福田 工場や運送などで電力を使う事業者が、従来の省エネ対策に加え、蓄電池やエネルギー管理システム(BEMS等)、自家発電の活用等により、電力需要ピーク時の系統電力の使用を低減する取組を行った場合に、これをプラスに評価できる体系にするものです。具体的には、省エネ法の努力目標(エネルギー消費原単位に加え、電力ピーク時間帯の節電分をより適切に評価するための電気需要平準化評価原単位を新たに規定しました。

事業者の具体的な電力ピーク対策については、指針により、電気の使用からガスなど他の燃料または熱の使用への転換のほか、電気を消費する時間の変更(ピークシフト)、エネルギー管理システムやデマンド監視装置の活用などを提示しています。

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