テレビ事業絶好調の東芝、2010年は“福山雅治”と“LEDの大幅拡充”で勝負

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テレビ事業絶好調の東芝、2010年は“福山雅治”と“LEDの大幅拡充”で勝負

「国内販売は2012年度末にはLED(発光ダイオード)モデルに特化する」

4月14日に行われた東芝の液晶テレビ「レグザ」の商品発表会で、東芝・ビジュアルプロダクツ社映像マーケティング事業部村沢庄司事業部長は、バックライトにCCFL(冷陰極蛍光管)を用いた液晶テレビからLEDへの完全移行を宣言した。

東芝のテレビ事業は絶好調だ。2009年度は目標としていた総販売台数1000万台(08年度比39%増)を達成。「好調な国内事業が牽引し黒字を達成できる見込み」(村沢事業部長)。「国内の薄型テレビシェアで09年度2位を確保した」「3月の国内液晶テレビシェアは約30%を獲得した」と威勢のいい発言が続いた。

東芝得意の半導体技術を生かした高画質、外付けハードディスクでの録画への対応でマニアには人気だったが、「08年から秋からCMに起用する福山雅治氏の人気も大きい」(ビジュアルプロダクツ社映像マーケティング事業部日本部岡田淳部長)と、小型から大型までまんべんなくシェアを上げている。

さらに、昨年末に投入した100万円の超高機能テレビ「セルレグザ」がブランド価値につながっていると自己分析した。

この日発表したレグザの3シリーズ、26モデル(色違い含む)はすべてLED型。55インチの大型から19インチの小型テレビまでLED型を幅広くラインナップした。

一方、サムスン電子、パナソニックが発売し、ソニー、シャープも投入する3Dテレビについては、今夏にグローバルで発売することを表明したものの、実際のモデルは発表しなかった。「3Dテレビの需要はコンテンツ普及のタイミングに左右される」(村沢事業部長)と、市場動向を見極めてから力を入れても遅くないという判断のようだ。

国内でのCCFL型の終了時期を明言し、LED特化を他社に先駆けて宣言することで、国内でのLEDテレビは東芝というイメージ確立を狙ったものと思われる。

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