社内でやる気を失わないのは「運がいい人」だけ 働かないオジサンにならない4つの働き方(上)

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横軸に会社へのコミット度合いが高いか低いか、縦軸に「承認」に喜びを感じるか、「仕事」自体の遂行に喜びを感じるかを取ると、出世型(Aエリア)、仕事好き好き型(Bエリア)、枠組み脱出型(Cエリア)、仕事突き抜け型(Dエリア)の4つの働き方に分類することができる。

今回は、会社へのコミット度合いが高い、出世型仕事好き好き型を取り上げる。会社へのコミット度合いが高い人が「働かないオジサン」にならないためには、一定の「運」が必要だというのが、私の考えである。なお、会社へのコミット度合いが低い枠組み脱出型仕事突き抜け型については、次回の連載で取り上げる。

出世型:目指すべきだが折れやすい

■出世のメリット

スタンフォード大学ビジネススクールの著名教授、ジェフリー・フェファーが書いた『「権力」を握る人の法則』(日本経済新聞社)の「はじめに」は、「なぜ権力志向になるべきなのか」がシンプルにまとめられている。以下の3点である。

①力や地位があるほど長く健康に人生を楽しめる可能性が高い
②権力を持ち、それに伴う高い知名度や地位を備えていれば、金持ちになれる
③権力はリーダーシップの一部であり、何かを成し遂げるためには欠かせない

読者の中にも、組織内の権力の掌握や出世に関心を持っている人は少なくないだろう。

高い役職を得ると、報酬も高くなるし、自分の判断で会社の権限を行使できる。リーダーシップの意味合いの何たるかも知ることができる。これらは組織で働く際の醍醐味である。個人ではこれほど大きな仕事に携わることはできない。

役員にもなれば、一種のオーラ的なものを発している場合がある。「求められている」「見られている」という気持ちが、心にハリを与えるのだろう。

この出世型(Aエリア)は、働かないオジサンにならないひとつのタイプである。

■出世に対する向き不向きを把握せよ

一方で、人事評価は、自分ではどうにもならないことに支配されていることも間違いない。配属された部署や、そこでの人間関係に翻弄される可能性もある。

出世できるかどうかは、努力というよりも、向き不向きの部分が大きい。ただ、この向き不向きは、実際にやってみないとわからない。自分が組織にどれくらい適応できるのかを肌感覚で理解することが大切である。中途半端な仕事ぶりでは、この「適応できるかどうか」という感覚はつかめない。そういう意味でも、出世して走れるなら、とことん走ってみるのも一法だろう。

向き不向きの感覚を持たずに、出世した同期をうらやむような気持ちだと、結果として働かないオジサンの入り口に立ってしまう。「俺のほうが能力も実績もあるのに、なんでアイツが部長なんだ」という、オジサンの発言を聞いたことがあるかもしれない。

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