不安一色から静音に一変、パナソニック総会 前期黒字浮上した津賀体制が目指す復活のシナリオ

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――事業計画で発表した、白物家電のシニア向けプレミアムブランドとはどんなものか。

高見和徳専務 シニア向け商品だが、例えば掃除機でいうと「プチサイクロン」という小型で軽い商品を開発した。また洗濯機も、より使いやすい縦型の商品を発売した。シニア向けの商品については、2年ほど前から準備してきた。よりシニアの方々が求めているスペックの白物の開発を進めている。秋口以降、順次そのような商品を投入していく。

――2年前に未曾有の経営の苦境に陥ったが、再発防止はできているのか。また代表取締役の解任を決議できるよう、取締役の半分以上を社外取締役にしたらどうか。(業績悪化の際の責任をとって)大坪文雄前会長には会長を務めたときの報酬返還を求めてほしい。

経営苦境は一人の暴走ではなかった

津賀社長 2011年、2012年と、われわれは大変悔しい思いをした。反省を込め、これを繰り返さないためにも、一致団結して建て直しを図ってきた。ただ、決して社長1人が暴走したわけではない。我々は周知を集めた経営を心掛けており、ガバナンスの体制も持っている。それでも大きな赤字になった事実は消せない。なぜそういう事態に陥ったのかをひも解いて、安定的な収益性を目指すよう、一生懸命事業を変えてきた。

したがって、必ずしも半分以上の社外取締役が必要だとか、大坪氏の報酬を返還することが必要だとは思っていない。われわれのコーポレートガバナンスが正常化したということを実績で示していきたい。今後、より一層よくなると期待をもって見守っていただきたい。 

許斐 健太 『会社四季報 業界地図』 編集長

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このみ けんた / Kenta Konomi

慶応義塾大学卒業後、PHP研究所を経て東洋経済新報社に入社。電機業界担当記者や『業界地図』編集長を経て、『週刊東洋経済』副編集長として『「食える子」を育てる』『ライフ・シフト実践編』などを担当。2021年秋リリースの「業界地図デジタル」プロジェクトマネジャー、2022年秋より「業界地図」編集長を兼務。

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