「二度と結婚しない」と誓った彼女が再婚した訳 「ご縁とタイミング」はこうしてやってくる

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しかし、隆志さんは変わらなかった。あるときに美里さんは「愛がすっかり冷める」のを感じた。相変わらずゴロゴロしている隆志さんが「バイクが欲しいな」とつぶやいたのだ。

「誰の金で生活できていると思っているんだ!とブチ切れてしまいました。彼は反省をせず、『再就職してから自分のお金でバイクを買おうと思っている。それの何が悪いの?』と。それまでも、ジュースを飲みかけで捨てることが多かったりと無駄遣いが気になっていたのが爆発しました」

結婚とは生活そのものなので、経済的に行き詰まるとお互いの嫌な部分が見えやすくなってしまう。隆志さんが家業を継がなかったら2人は今でも結婚生活を続けていたかもしれない。しかし、一度冷めた気持ちは取り戻しにくい。結婚から5年たたず、美里さんは隆志さんに別れを告げる。

結婚と離婚で名義変更などの煩わしさを感じた美里さん。今後は結婚ではなく生涯のパートナーが欲しい、と思うようになる。離婚後に付き合い始めた会社員の影響もあった。

「彼もバツイチで、趣味のサークルで知り合いました。付き合い始める前から『期待させたら悪いので言っておく』と再婚をするつもりはないと聞き、誠実だなと思ったんです。私も同じ気持ちでした。子どもは欲しくないし、相手の家族とつながりたいとも思わない。好きな相手と時間を共有したいだけです」

しかし、その恋人は子育てと仕事に追われるようになり、彼の生活における美里さんの「優先順位」は下がる一方だった。数年後、別れることになったとき、虚無感に似たショックを受けたことを美里さんは覚えている。

「1年近く引きずりました。見かねた友だちが教えてくれたのがマッチングアプリです」

アプリ婚活が合う人、合わない人

もともとパワフルで見た目も華やかな美里さんにとって、手軽なアプリは面白い場だった。出会ってすぐにラブホテルに連れ込まれそうになったり、経歴も名前も偽っている男性と遭遇したり。美里さんは「私みたいな人にはアプリが合っている」と断言する。

「変な人に会うことを時間の無駄に感じる人や、他人から人格否定をされて傷ついたりするような人には向いていないと思います。でも、私はそういうリスクは楽しめるタイプです。危険を感じたら、『こんな私ですみません』と適当な逃げ口上でさっと身を引いていました」

ちゃんと愛した人との衝突では怒りや悲しみを感じるが、その他の人間関係ではいちいち落ち込んだりしない。厳しい会社員生活で身につけた強さと処世術かもしれない。

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