カルロス・ゴーン・ルノー会長兼日産自動車社長、日本メディアとの質疑応答・一挙掲載【ルノー日産・ダイムラー提携会見(4)】

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ただ、ダイムラーは独自のバッテリー開発をしているし、電気自動車も開発している。また、中国のBYDとも協業している。それらを比較した上で、どういう形で協業していくのが理にかなっているのかを考えなくてはならない。まだそこまで行っていないというだけのことだ。したがって、「まだ」できていないとうことだ。

--CO2エミッションについて、ルノー日産にどんなメリットがあるのか。ダイムラーにはメリットがあるだろうが、ルノーの平均CO2排出量はすでにかなり低い。

率直に言って、CO2排出に対してメリットはない。ダイムラーは関心があると思う。会見でもそう明言されていた。

--今回の提携は日産の中期経営計画「日産GT2015」にどのように影響するか。

次の中期経営計画を発表する時期には、どのようなメリットがあるかを説明したい。

--日産とダイムラーの協業に関しては、今のところインフィニティにダイムラーがエンジンを供与する程度だが、他にどういった協業がありうるのか。また、インフィニティブランドとメルセデスベンツブランドと食い合いがないというが、具体的な説明を聞きたい。

インフィニティ以外にも、購買面で協力したり、相互生産、工場の相互利用、商品をローカライズすることもありうるし、サプライチェーンマネジメントの協力も考えられる。

ダイムラーは日本に多くの車を輸出しているが、帰りは船が空、ということもあるだろう。一方で、日産は欧州にたくさん車を出しているが、やはり帰りの船は空だ。例えば、この分野で何らかの合意があれば、往復便どちらも満杯にして運ぶことができるかもしれない。何もインフィニティだけの話ではない。ダイムラーと日産が何をやるかも今後特定していく。

誰かがインフィニティを米国で買うときには、その人にこうした質問をしてみるわけだ。「どんな車と比較検討しましたか」と。ダイムラーもショールームに来る人に同じ事を聞く。そうすると、インフィニティを買う人と、ダイムラーを買う人は、クロスショプしない。われわれのクロスショッピングリストは、レクサス、アウディ、そしてBMWだ。メルセデスはそこには出てこない。 

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