ルノー日産・ダイムラー提携、ブリュッセルの会見での質疑応答・一挙掲載【ルノー日産・ダイムラー提携会見(3)】

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--売上高のシナジーはどれくらいで、コスト面のシナジーはどれくらいなのか。

ゴーン会長 内訳は出さないことにしている。内訳を出すと、2~3カ月ごとにアップデートしなければならないからだ。合算値のみを公表した。

--ルノーはABボルボへ出資しているが、今回の提携で利益の相反はないが。

ゴーン会長 ない。20%以上出資しているが、ビジネスには関わっていない。ダイムラーとは小型商用車と乗用車が中心でトラックは含まれていないこともあり、利益の相反はない。

--ダイムラーとインフィニティは競合しないか。

ツェッチェ会長 顧客がダイムラーとインフィニティをクロスショッピングする可能性は低い。

ゴーン会長 現在の調査結果によると競合しない。インフィニティとほかのドイツブランドでのクロスショッピングはあるが。だから安心している。ツェッチェ会長の言うように、ダイムラーの調査でもそうなっている。リスクはない。

--EVについて。欧州・米国・日本で作るルノー日産製のバッテリーは、ダイムラーへも提供するのか。

ゴーン会長 もちろん、ツェッチェ会長から求められれば提供しますよ
(笑)。できるだけのことをして、私たちのバッテリーを最高だと認めていただくように取り組む。ただダイムラーが採用する義務はない。ほかにいいバッテリーがあればそれを採用するだろう(笑)。

ツェッチェ会長 可能性があれば、それはルノー日産のバッテリーがいいと思うが。

--ルノーが米ゼネラル・モーターズの「ボクセル」と「バン」を清算する契約期間はいつまでで、今後どうなるのか。

ゴーン会長 ダイムラーとの協力関係があるからといって、他社と契約しないわけではない。これは紳士協定だ。ダイムラーも同じだと思うが、今後も、他社とも手を組んでいくだろう。もし、お互いの間で提供できなければだが。

高橋 由里 東洋経済 記者

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たかはし ゆり / Yuri Takahashi

早稲田大学政治経済学部卒業後、東洋経済新報社に入社。自動車、航空、医薬品業界などを担当しながら、主に『週刊東洋経済』編集部でさまざまなテーマの特集を作ってきた。2014年~2016年まで『週刊東洋経済』編集長。現在は出版局で書籍の編集を行っている。

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