5年間で正味現在価値換算で20億ユーロ以上の提携効果見込む--カルロス・ゴーン 仏ルノー会長兼日産自動車CEO【ルノー日産・ダイムラー提携会見(2)】

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この業界において、特定のプロジェクトで複数のメーカーが協力することは何らめずらしくないことです。しかし、今回のような戦略的なパートナーシップは、個々のプロジェクトを超えたレベルにあります。ルノー・日産の11年間のアライアンスを踏まえると、規模をシナジーへ転換するには、単に覚書を交わす以上のものが必要です。11年前、誰もルノーと日産のアライアンスは「持たない」と思いました。

ニーチェを引用すれば、「自分を殺すものは自分を強くする」ということです。今では、両社とも強い会社に育っています。戦略的な提携の成功には、アイデンティティを大切にし、信用を大切にすることが大切です。株式の持ち合いは、各社の利害が一致し、長期的な関係に基づいて透明性を持って協力する強い意思を象徴しています。

ツェッチェ会長と私が議長を務めるコーポレーションコミッティは、12人のメンバーによって構成されます。目指すシナジーを計画通り達成し、さらなるシナジーの可能性を追求するべく、確認を怠りません。

ルノー日産は規模とスケールの効果を生かし業績向上につなげる、自動車業界のベンチマークです。今回の発表は業績をさらに高いレベルに押し上げる次の一歩となります。1足す1は2よりも大きい。力を合わせることで、グローバル自動車業界をリードする存在となるでしょう。

■写真は09年日産自動車本社にて(撮影:梅谷秀司)

高橋 由里 東洋経済 記者

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たかはし ゆり / Yuri Takahashi

早稲田大学政治経済学部卒業後、東洋経済新報社に入社。自動車、航空、医薬品業界などを担当しながら、主に『週刊東洋経済』編集部でさまざまなテーマの特集を作ってきた。2014年~2016年まで『週刊東洋経済』編集長。現在は出版局で書籍の編集を行っている。

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