チェキの販売台数、ついにデジカメを逆転へ アジアや欧米で人気が拡大

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主な購買層は、フィルムカメラ時代を直接体験していない10代~20代の女性だ。フィルムならではの独特の写真の風合いに加え、撮影した写真がその場でプリントされるなど、デジカメにはない魅力が若い世代に新鮮に受け入れられている。

「チェキ」を統括する富士フイルムの山元正人イメージング事業部長は、「アジア圏から火がついたチェキの人気は、今や欧米市場にも拡がりつつある。機能面でもデザイン面でもまだまだ進化の余地があり、3年後には500万台の販売台数を目指している」と今後のさらなる成長に自信を見せる。

原宿に直営店出店

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原宿に出店した「ワンダーフォトショップ」の陳列棚。関連商品も増加している

富士フイルムは、今年2月に原宿にチェキや関連グッズを販売する直営店「ワンダーフォトショップ」を出店するなど、若者層に写真をプリントすることの魅力を伝える活動を始めた。

同じく2月にはスマホで撮影した写真をチェキ用のインスタントフィルムで現像できるポータブルプリンター「スマホdeチェキ」を発売するなど、関連商品の開発も強化している。「スマホdeチェキ」は、7月に自社の高級デジカメ「Xシリーズ」の写真プリントにも対応する。

チェキは、本体だけでなくインスタントフィルムの販売も含めて収益を拡大している。富士フイルムにとっては、スマホの普及でデジカメの販売数量が低迷し、デジカメの採算が悪化する中、そのデジカメに押されて消えかけていたインスタントフィルムカメラが思わぬ救世主となっている。

島 大輔 『会社四季報プロ500』編集長

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しま だいすけ / Daisuke Shima

慶応義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程修了。総合電機メーカー、生活実用系出版社に勤務後、2006年に東洋経済新報社に入社。書籍編集部、『週刊東洋経済』編集部、会社四季報オンライン編集部を経て2017年10月から『会社四季報』編集部に所属。2021年4月より『会社四季報プロ500』編集長。

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