日本の損保会社の信用力と動向、見通しは引き続きネガティブ《ムーディーズの業界分析》

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国内の損保業界においてコア事業となっている自動車保険に関しては、日本国内の人口が頭打ちとなる中、自動車保有台数の増加が期待できないことから、市場が縮小していくと考える。実際、2008年3月期には、国内自動車保有台数が年度ベースで戦後初の減少に転じ、09年3月期も同様に減少した。同時期における自動車保険の正味収入保険料も減少している。

損害保険料率算出機構は、09年7月、自動車保険の参考純率について、全体で5.7%の引き上げを実施しており、これを受けて2010年以降、大手各社が料率の引き上げに動く可能性が高い。しかし、直販損保とのシェア争い、等級進行や小型車への買い替えによる単価の低下圧力などがあるため、収益が大幅な回復に向かう可能性は限定的であろう。

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