ブロンコビリー、毎月の泊まり込み合宿が外食屈指の高収益を生む《ものすごい社員教育》

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狙いはパート・アルバイトとのコミュニケーションの改善。伝えたい内容がうまく伝わらないときでも、小学生たちが意思統一を図り大会に臨む様子から、コミュニケーション改善の秘訣をくみ取ろうという変わった試みだ。

22時前後からコンパが始まる。とはいえ酒を飲んでいるばかりではない。乾杯の音頭もつかの間、社員が社長に対して直接質問を投げかける。それに社長がマイクを持って答える。

「成績がなかなか上向かないのですが……」「短期的に見てはダメ。立地の問題もあるから次に君には繁昌する店を任せてあげる。ただ、今は自分で改善させるすべを考えなさい」。

質問に対して、それぞれ大体30分以上の回答をする。「社長と直に会話を交わすことで自分を見つめ直すきっかけになる」と参加している店長は真剣そのもの。飲みながらの対話は深夜2時まで続いた。

社員教育に力点移し 経営不振から挽回

合宿研修は1983年の創業時から行われていたわけではない。もともと月1回の対話集会などにより、社員教育を重視はしていたが、今のような研修を始めたのは、05年3月だ。キッカケは、経営危機だった。

01年にBSE(牛海綿状脳症)が同社の業績を直撃。売り上げが落ち続ける中で、竹市社長は商品の低価格化、低採算のサラダバーの廃止、肉のうまみを引き出す炭焼きグリルから一般的なグリドル(鉄板焼き器)への移行など“効率化”を進めた。だが、成果は上がらず赤字経営に陥り借金も急増した。「経営方針の根源を見つめ直す必要に迫られていた」(竹市社長)。

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