SBI証券の胸突き八丁、最大の武器が今や弱点に

SBI証券の胸突き八丁、最大の武器が今や弱点に

「金融イノベーター(革新者)として国内最速で成長してきた」。SBIホールディングス(HD)の北尾吉孝CEO(最高経営責任者)は胸を張った。

3月11日、「インターネット総合金融グループとしての新たな成長戦略」と題し、都内で開いた機関投資家向けの説明会。北尾氏は1999年のグループ創設後の歴史を振り返りつつ、今後の展望を力説した。これまでSBIグループは順調に発展。この10年で売上高は約1300億円にまで成長した(2009年3月期)。「最速」も誇張ではない。

銀行、損保で順調拡大も ネット生保は一時撤退

グループ中核のSBI証券は、先行した格安手数料で得た高シェアを武器に、ネット証券界の先頭を走っている。昨年末、同社の証券総合口座開設数は200万の大台に達した。これは2位マネックス証券の2倍以上。個人の株式委託売買代金シェアは35・5%(09年4~12月期)と、楽天証券(同14・5%)をはじめ2位以下との差は歴然で、ネット証券界で断トツの地位にある。

SBIHDが、住友信託銀行と合弁で展開するネット専業銀行「住信SBIネット銀行」や、ネット専業の「SBI損害保険」も順調だ。

住信SBIは、競争力のある金利設定や、個人客向けATM(現金自動出入機)手数料の無料化などが奏功。開業から2年5カ月の今年2月には、預金残高が1兆円を突破した。先発のジャパンネット銀行(同時点で約4500億円)やイーバンク銀行(同7000億円)はすでに抜き、トップのソニー銀行(同1兆4900億円)を猛追する。

SBI損保も、業界最安水準の保険料で、開業から2年弱にして自動車保険の成約件数が10万件を突破。10年3月期の収入保険料は目標の50億円を達成する見込みだ。

だが今、SBIグループのネット金融戦略は壁にぶつかっている。

08年4月に立ち上げたネット専業の生命保険事業は、ネットとの親和性が高くなく、合弁提携先であるアクサジャパンホールディングとの連携も円滑に進まないため、合弁関係を今年2月に解消。アクサに事業譲渡し、ネット生保は一時撤退となった。1年後をメドに再参入を目指すが、戦略の練り直しを迫られた。

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