幻に終わった百貨店強者連合、規模拡大に展望見えず

拡大
縮小

新たな成長戦略が焦点

高島屋とH2Oが会見を行った翌日、三越伊勢丹ホールディングスが業績修正を発表した。三越6店の減損、繰延税金資産取り崩しによって、最終損益はゼロから650億円の赤字に転落する見通し。完全統合に向けたリストラやウミ出しが先行しているとはいえ、大型統合がいかに大変かを示している。

業界では10年に入り前年比のマイナス幅が縮小しているものの、あくまで最悪期を脱した段階でしかない。

「各店、各地域のニーズを把握して、お客様が求めるものを適正な価格で供与していく。経営統合してもしなくてもこれは同じこと」(鈴木社長)。今後、組織統合に向けていたパワーを顧客に向けて、新たな成長戦略を打ち出せるかが焦点となりそうだ。

■高島屋の業績予想、会社概要はこちら 

 (撮影:吉野純治 =週刊東洋経済2010年4月10日号)

高橋 志津子 東洋経済 記者

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たかはし しづこ / Shizuko Takahashi

上智大学法学部国際関係法学科卒。東洋経済新報社に入社後は、会社四季報、週刊東洋経済、ムック、東洋経済オンラインなどさまざまな媒体で編集・執筆を手掛ける

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