大草直子さん、怒涛の”40歳越え”を語る あの超人気スタイリストにも、40歳クライシスが!

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28歳のとき、長女を出産。大草さんは実家で両親と同居だったから、お子さんの育児は随分助けてもらったという。

「出産ギリギリまで働き、産んだ後も、半年ほどで仕事に復帰、お乳が張ってしまうから、トイレで搾乳しながらも、仕事しました。

南米で人の10年分遊んだのだから、文句は言うまい。人から言われたものが私の肩書だ。自分の肩書は10年は決めるまい。声を掛けられた仕事は何でもしようと決心し、来た仕事は端から引き受けましたね」

雑誌のスタイリストから、折り込みチラシの原稿書き、ブランドのリリースの下書き、店舗のディスプレー……etc. 依頼された仕事は、文句を言わず何でもやった。

「半年で人の10年分遊んで、その後の2年で、また人の10年分は働いたと思います」

初めての子育てと、フリーランサーとしての修業時期が重なり、無我夢中だった。だが、その一方で、「単身赴任中の夫のケア」はおざなりになりがちだったと振り返る。

「ひと月に1回は子どもを連れて、彼の赴任地に行っていましたが、それでも、彼を家族の輪の“蚊帳の外”にしてしまったのだと思う。彼は彼で寂しいとかつらいといったメッセージを発信していたと思うのですが、どうしても仕事を続けたかった私は、そのメッセージを受け止めきれませんでした」

そして、ある晴れた金曜日の朝のこと。

「ちょうど娘を着替えさえ、保育園に送りに行こうという矢先、電話してきた夫に突然、離婚を言い渡されてしまいました。エッ、何言ってるの?と絶句。夫の意思を確かめに、新幹線に飛び乗りました」

ご主人には無事に会えた。だが、会ったときは「完全に心を決めた顔をしていた」そうだ。

「離婚の意思は変わらないなと一目で悟りました。それで、離婚することにしたのです」

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