「安心度日本一」は、倉吉市(鳥取) 部門別「住みよさランキング2014」(上)

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「利便度」は野々市(石川)が3年連続トップ

「利便度」は野々市市(石川)が3年連続で1位となった。金沢市の南部に隣接する同市は、金沢市中心部から一体となった市街地が市域全体に形成されている、典型的なベッドタウン。金沢市中心部のほか、周辺部からも自動車による交通アクセスがよく、「イオン御経塚ショッピングセンター」をはじめ、大型の家電量販店、ホームセンターなどが建ち並んでいる。

小売業年間販売額と「人口当たりの大型小売店店舗面積」の両指標ともに全国1位だ。

これに続く新宮市(和歌山)も、3年連続で2位となった。紀伊半島の南部に位置する同市は、和歌山市のほか隣接する三重県・奈良県の中心部からも大きく離れている。周辺市町村には大きな商業施設が少なく、紀伊半島先端地域や三重県南部を含む熊野地方の中心都市としての性格も備える。

そのため、周辺地域も含め人口規模はそれほど大きくないにもかかわらず、小売業販売額は34位と全国トップクラスにある。

「利便度」カテゴリーでは、算出指標の「人口当たり小売業年間商品販売額」が、昨年までの2007年データから2012年データに更新された。この5年は、リーマン・ショックや東日本大震災など経済面・社会面での大きな変化に見舞われた期間。これがトップ10を含め、広範囲で順位の変動をもたらした。

3位の名取市(宮城)は昨年の10位から順位を上げた。大型店舗の新設もあって増加した小売業販売額で、昨年の165位から37位へと大幅上昇となったことが主因だが、東日本大震災の復興需要も後押ししたと考えられる。同じく4位の草津市(滋賀)も、小売業販売額の増加(昨年175位→今回42位)が寄与した。9位の三笠市(北海道)は昨年64位からのジャンプアップだ。

一方、昨年6位の武蔵野市(東京)が14位、昨年18位の立川市(東京)が36位にダウン。郊外都心ターミナルの商業集積地では、消費の低迷が直撃した格好となった。

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加藤 千明 ファイナンシャル・プランナー、「アメリカ企業リサーチラボ」運営

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かとう ちあき / Chiaki Kato

大手証券会社勤務の後、1993年7月、東洋経済新報社に入社。主に統計指標をベースとした刊行物を担当する一方、電機・化学業界担当記者としてITバブルの全盛期と終焉を経験。その後は、マクロ、マーケットおよび地域動向を主戦場に、データをもとにした分析、執筆などを行う。2005年より『東洋経済 統計月報』編集長、2010年より『都市データパック』編集長。『米国会社四季報』編集部を経て、2021年2月に退社。現在はファイナンシャル・プランナーとして活動するかたわら、アメリカ企業の決算情報を中心にSNSで発信。

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