ナフサの価格決定構造に変化の兆し

化学業界にも「シェール革命」の波が押し寄せる

国内で精製して得られる石油製品のうち、約3分の1をナフサが占めている(撮影:今祥雄)

木材や皮革のように見える素材でも、実は石油化学製品という例は多い。さらには電子部材や自動車材料など、身の回りの多くで石化製品が使われている。その基礎原料がナフサである。

重油、軽油をはじめ、国内で原油を精製して得られる石油製品のうち、ナフサは約3分の1を占める。ただ、その多くはガソリン向けに使われ、石油化学用に回るナフサは原油の1割程度にすぎない。これでは石化製品の需要を賄えない。そこで、国内の石化用ナフサ需要の半分程度は海外からの輸入に頼っている。

リーマン後では初の7万円超え

ナフサ価格は基本的には原油価格に連動している。もちろん、ガソリン需要や石化製品の市況などナフサ固有の価格変動要因も多少はあるが、長い目で見ると原油と同じ動きをするといってよい。

そのナフサの価格が高騰している。1~3月の国産ナフサ価格は1キロリットル当たり前期比4200円高の7万2000円に達した。7万円超えは2008年のリーマンショック後では初めてとなる。

ナフサ高は国内の石化製品価格にじわりと影響を与えている。代表的な石化製品であるポリエチレンやポリプロピレンは、製造工程が単純なため、ナフサ高が製品価格に直結する。メーカー各社は昨年数回にわたって値上げを打ち出した。「値上げを打ち出せば、すぐに浸透するほど甘くない。とはいえ、少しずつ浸透している」(大手幹部)。

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