(第30回)「四字熟語・故事ことわざ」で綴る就職支援・第十七話『続・面接十戒』

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面接に“合格”する学生には共通項がある!
“成功した先輩の言”より現場人事部の声を聞け!

 キミたちは大学の就職部や雑誌・ナビなどで“成功した先輩のアドバイス”といったものを読み、それにあやかろうとするだろう。それはそれでよい。参考になる点が大いにあるはずだ。しかし、それらはあくまでも先輩本人の主観的推測であって、実際に「採用」した側の客観的判断ではない。実は、その先輩自身も気づかないようなところで「採用」は静かに堅実に行われているのだ。 知るべきは、もちろん、そちらのほうだ。企業は、いったい、どういう人物を採用するのか--? また、「採用」される学生には、“共通項”みたいなものはあるのか--? ぜひとも知りたいところだろう。
 それを実際に取材してみると、次のような声が返ってきた。まずは、じっくりと謹聴してみよう。

人事のホンネ わが社のことを真剣に考えてくれている学生を歓迎!

「営業志望とはっきり明言し、当社以外の営業形態なども研究していた学生。就社ではなく就職活動をしている点に好感を持った」。(住宅メーカー採用担当)

「最終面接段階で初めて交通費を支給するのですが、それでもいいと二次面接まで自費できてくれた学生。それも、わざわざ金沢から本社までですからね。“もらうのが当たりまえ”の御時世(ごじせい)、その心意気やよし!です」。(リース採用課長)

「面接の時に、『OB訪問で、お会いしたSさんの仕事ぶりに感銘を受けました。一緒に働かせてください』と言われました。当社の社員がほめられるのはうれしいものです。お世辞ではない証拠に、ちゃんと入社してくれましたからね」。(非鉄金属商社人事課長)

人事のホンネ “自分の言葉”で話し、説得力のある学生を歓迎

「こちらの質問に対して、予期せぬ答えが返ってくる学生がいいですね。300人近くもの学生に会っていくと新鮮味を覚えます。ただし、ウケを狙ったり、とんちんかんな返答を意味するものではありません。自分の言葉を使える人はすばらしい」。(印刷メーカー採用担当)

「最初に結論を言ってくれる学生。こちらが尋ねていることにすぐ答えられるのは能力がある証拠。ツーといえばカーが基本です。簡潔にして的確でなければならない」。(食品メーカー採用担当)

「(1)自然体で話せる人、(2)物に動じない人、(3)イヤミがなく適度な自信のある人、(4)時事問題に関心を持っている人、(5)目に輝きがある人、(6)表現力が豊かな人。(1)~(6)までのどれか1つでもあればいいですね」。(旅行代理店人事部次長)

「自分で編集したサークル活動冊子を持参してくれた学生。言葉よりもはるかに説得力がある。小道具を持ち込んで、これに伴う苦労談などを話してくれたほうが、より具体的でわかりやすい。アイデア勝利ですね」。(信用金庫リクルート室)

「決して能弁ではないけれど、とつとつ自然体で話してくれる学生。今どき、こんなヤツがいたのかと思うぐらい素朴で誠実なタイプ。また、一見おとなしく見えるが、話し始めると実に落ち着いている人。いずれも共通するのは、“真剣さ”」。(運輸人事部長)

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