スタバが限定フラペチーノに注力するワケ 6月は伝統のコーヒージェリー2種類で勝負

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気になるカロリーについても調べてみた。「マーブル キャラメル〜」が、ショートの265キロカロリーからヴェンティの419カロリーまで。「ダブル チョコレート〜」がショートの254キロカロリーからヴェンティの376キロカロリーまで。前作のチャンキークッキーよりも100キロカロリー以上低い。 「粉もの」が入っていないのが理由だろう。

販売予定は7月15日まで。バナナフラペチーノで売り切れが続出して期間前に販売終了となった経験を活かし、チャンキークッキーでは材料を多めに用意。今回のコーヒージェリーも、事前に売り切れないように配慮しているという。

フラペチーノなくして成長なし

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フラペチーノがけん引車になっている(同社の2014年3月期決算説明資料のスライドより)

2012年夏にスタートした一連の季節限定フラペチーノは、いずれも日本独自の開発である。「アメリカには、“リターニング フェイバリット”といって、いったん人気が出れば翌年も同じ商品を出すカルチャーがある」(万波さん)ため、毎年のように新しいものを追求しているのは、日本だけだ。

そのためもあり、日本で開発したレシピが、世界のスタバに採用されることも増えてきたという。2013年に日本で発売した「コーヒー ティラミス フラペチーノ」は、アジア圏のスタバで大人気となっている。

スタバの2014年3月期の決算説明資料によると、日本独自の季節限定商品が既存店売り上げ成長のけん引車だ。バナナフラペチーノを投入した4月のフラペチーノ売り上げは対前年同月比で20%を超える成長を記録している。一方で、同月のドリップ売り上げは、対前年同月比でマイナスだった。成長持続のためには、フラペチーノの重要性は高まっている。

数年後、スタバのコンセプトは、冗談抜きに、「サードスペースでサードフードを楽しもう」へと変わっているかもしれない。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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