サッポロと委任状争奪戦、スティール再攻勢の成算

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 かつてスティールは複数の企業へ株主提案を突きつけ、一挙手一投足が注目された時期もある。以後、複数の保有株を売り払い、一時の存在感は薄れた。そうした中でも、サッポロは依然、日本で最大案件として残る。

15日、横浜市内での説明会には、100人以上を収容できるホテルの会場が用意された。実際に足を運んだ株主は20名ほど。

説明会後、保有歴6年という40代の男性は、「以前は存在自体を怪しく思っていた。今回、話を聞いてスティールの主張も一理あると思った。(取締役候補として)内藤氏などそうそうたるメンツをそろえられるのか不安だが、株主提案には賛成票を投じるつもり」と話しており、成果はゼロでもなさそうだ。

「個人投資家の方を含め、多くの賛同をもらっている」(サッポロ)と言う一方、「負けを想定して提案などしない」とスティール側も強気姿勢。3月30日の株主総会は波乱含みだ。

■サッポロホールディングスの業績予想、会社概要はこちら

(倉沢美左 =週刊東洋経済2010年3月27日号)

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