新婚で「義母と同居」した女性が心底幸福なワケ 「真の豊かさ」のひとつの形がそこにある

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そんな真奈美さんが婚活を始めたのは仕事の行き詰まり感が原因だった。会社での待遇や人間関係に不満があるわけではないが、業務内容にやりがいを見いだせなくなった。フリーランスになるべきだろうか。お世話になっているビジネスコーチに相談したところ、「結婚してみたら?」という意外なアドバイスを受けた。

「結婚したら人生の見方が変わってくる、ということでした。大手の結婚相談所も検討したのですが、初期費用だけで10万円ぐらいかかります。ちょっと高いのでこれは奥の手にしようかなと思い、まずは婚活パーティーに参加しました」

男女のマッチングを目的としたイベントの場合、男性と女性では10歳ほど差をつけて募集するのが普通である。男性が50歳までを対象とするなら、女性は40歳までだったりする。

「最初に参加したパーティーでは60歳前後のおじいちゃんしかいませんでした。私もオバサンなのだけどごめんなさいという気分です。主催者の人に誘われて、もっと若い男性が来るパーティーにも参加させてもらいましたが、今度は30代女子に勝てないと感じてしまいました」

「いい人」すぎてモテにくい一郎さん

多少なりとも婚活をして「相場観」を養ったのがよかったのかもしれない。スナック大宮で同世代の一郎さんを見かけたときの反応が高まったからだ。一郎さんはよく見るとハンサムだけど、「いい人」すぎてモテにくいキャラクターなのだ。ただし、彼のほうは5年以上前から婚活を続けていた。

「40歳手前になって、このままで大丈夫なのか?と思って婚活にチャレンジしてみました。社会人サークルへの参加などです。僕は年収が低いので結婚相談所には入りませんでした」

一郎さんは専門学校を出てから自動車整備の中小企業に就職した。年収は350万円程度。実家暮らしなので東京での生活にも困らないが、条件で検索し合う婚活には不向きかもしれない。会話上手でもないので婚活目的の社会人サークルでも苦戦していたようだ。スナック大宮でも彼がモテているところを見たことはない。

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