「調整後法人税」トップ20&ボトム20 「会計上の税金額」首位はトヨタ、最下位はマツダ

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 アベノミクス効果による株高などで3行揃って最高益を更新したメガバンクも、法人税額を拡大。調整後でも1年間で三井住友フィナンシャルグループ3128億円、みずほフィナンシャルグループ1571億円の増加をみた。15位の野村ホールディングスも含め、金融業界復権を印象づける結果である。

メガバンクが全行で本格的な納税を再開したのは、昨年2013年度のこと(「メガバンク全行、ついに税金を払う」はこちら)。個別行の有価証券報告書を見ると、2006年3月期で三井住友銀行1兆1892億円、旧みずほ銀行5415億円など、各行とも多額の繰越欠損金を抱えている。

繰越欠損金は過去の赤字の繰り越しが認められたときに発生し、その分は課税所得から差し引かれる。赤字の持ち越しは9年(2008年3月期までは7年)まで可能だ。このため、主要行が大きく黒字に転換した2006年3月期以降も、法人税等による控除額が低く抑えられていたのだ。

INPEXとコスモは、大半を外国に納税

他方、群を抜く税負担率で目を引くのが2位の国際石油開発帝石だ。75.08%は日本の実効税率をはるかに上回る。この理由は、中東などの国外に原油の採掘権益を有し、「納める法人税の多くは外国税」(同社広報)という同社の事業特性による。原油の採掘によって得た利益に、産油国から高額な税金の支払いを求められるためだ。

同様の状況はコスモ石油(圏外80位、税負担率79.13%)にも当てはまる。開発事業で得る利益581億円(セグメント情報等)のうち、同社によれば300億円程度が産油国への税金の支払いに充てられる。2014年3月期の法人税額(調整前)は346億円。同社の納税額の大半は産油国向けというわけだ。

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