【産業天気図・半導体】需要戻り基調でメモリなど利益急伸、装置も上向き。来春まで「晴れ」の活況

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予想天気
10年4月~9月 10年10月~11年3月

半導体・製造装置業界は2010年4月から11年3月まで終始「晴れ」となる見込みだ。消費不況に伴う半導体需要の低迷は09年前半に底を打ったもよう。懸念された2番底もなく、市況は本格的な回復局面を迎えている。

2010年の半導体市場は12.2%増となる見通し(WSTS・世界半導体市場統計、09年11月時予測)。11.5%減だった09年から反転が見込まれている。例年なら季節要因から落ち込む1~3月も市場は好調で、WSTSの予想は上方修正される可能性が高い。

パソコン、薄型テレビ、iphone(アイフォーン)等スマートフォンが数量拡大しており、半導体需要を生んでいる。特にDRAMは09年後半に価格が上昇、10年に入ってからも高値を維持している。一方で、08年後半以降の減産・投資抑制が響き供給増加が限定的。一部に増産の動きはあるが、すぐには供給量は増えないため、少なくとも10年半ばまでは価格の大崩れはなさそうだ。フラッシュメモリの価格も堅調に推移している。産業機器向け半導体は依然として低水準だが、市場全体は1年前と様変わりし、活況期を迎えている。

企業ごとにみると、DRAMの高値を受けエルピーダメモリ<6665>は一躍利益を生み出すようになった。09年4~7月期は営業赤字423億円と大きく出遅れたが年度では黒字となる見込み。4月以降も1ギガビットのDRAM(DDR3)の価格が2ドル後半の現状から大きく崩れるリスクは低いため、4~9月は巨額黒字をたたき出す可能性が高い。10月以降はDRAMの供給も増加してくるため、価格に不透明感は残るものの微細化による製造コスト引き下げも見込めるため、10年4月~11年3月では営業益ベースで過去最高益となる見込みだ。

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