株式会社化する第一生命 変額年金で試される真価

株式会社化する第一生命 変額年金で試される真価

国内市場が縮小する中、大手生保が打開策を繰り出し始めた。2010年に株式会社化する第一生命は、保険以外の金融業も傘下に収めることで成長を目指す。拡大必至の変額年金市場でも上位陣の追撃を開始した。

民間保険の契約高は、ピーク時1996年の1500兆円から、2006年には1026兆円へと、実に3割強も落ち込んだ。特にこれまで国内生保が主力としていた死亡保障市場の縮小が著しい。

業界全体が不払い、支払い漏れ問題を契機とした業務適正化に追われた07年は、同時に、巨大ネットワークを擁する郵政グループの誕生、銀行窓口販売の全面解禁など、大きな節目となる年だった。また複数会社の商品を扱う乗り合い代理店の台頭も、旧来の営業職員を基盤とする国内生保に変革を迫っている。

だがここへ来て、生保各社の新たな生き残り戦略が急浮上してきた。

住友生命保険が郵便局会社への商品供給会社となり、明治安田生命保険が大胆な営業職員改革を打ち出せば、日本生命保険もかんぽ生命との業務提携を発表。そして第一生命保険は株式会社化、ひいては持ち株会社化することで、新たな成長路線を探ろうとしている。

「縮小均衡が前提の経営なんて宣言できない」

第一生命が持ち株会社に移行することを決めた背景には、閉塞する国内市場への依存を減らし、海外や窓販事業など成長分野に継続的に資本投下することで、収益性を安定・向上させたいという意図がある。

もっとも、契約者への目いっぱいの配当還元が相互会社の基本理念。相互会社の形態のままでは、剰余を成長市場に資本投下することで配当へ回らなくなると、契約者の理解は得られにくい。そこで相互会社という“くびき”から脱し、経営の自由度を高めることにしたのだ。

だが、相互会社だろうと株式会社だろうと、保険会社であるかぎり保険業法に縛られ、保険業と関係のない事業には進出できない。しかし純粋(金融)持ち株会社なら、銀行、証券、投資顧問までも傘下に置くことが可能になる。

現在は利益率が高い団体保障、団体年金も、男性社員が営業の中心であり、人件費の観点から将来的には重しとなるだろう。くしくも金融庁は、これまで禁止していた保険会社の分社化を解禁する方向で検討に入っている。効率経営を考えれば、本体が抱える団保、団年など事業分野ごとの分社化も持ち株会社移行後の検討課題となるはずだ。
 

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