プジョーの出資交渉が消失、三菱自動車の前途多難

プジョーの出資交渉が消失、三菱自動車の前途多難

あまりにそっけない幕切れだった。

現在、スイス・ジュネーブで開催中の自動車ショーで、三菱自動車の益子修社長は仏プジョー・シトロエン(PSA)のフィリップ・バラン会長と会談。今後も業務提携を拡大する方針を確認し合ったものの、注目されていた資本提携は「現実的でない」と見送りを決めた。

「PSA、三菱自動車に出資へ」--。戦略的提携が報じられたのは昨年12月初めのことだ。直後、「さらなる関係拡大の可能性について協議を始めた」とPSAも正式にコメントを発表。戦略車に位置づけられる三菱自の電気自動車「アイミーブ」のOEM供給や、ロシアでの合弁生産計画などかねて関係のあった両社。資本提携に踏み込めば、世界6位級の企業連合が誕生するはずだった。だが、両首脳が雛壇に並ぶことはなく、実際は紙ぺら1枚の「共同声明」で済まされた。

ジュネーブ出発前、2月下旬の本誌インタビューで益子社長は「業務提携をさらに拡大し、その先に自然な形で(資本提携)できればそれは否定しない」と発言していたが、期待どおりにいかなかった。

優先株問題は“不問”

三菱自は先月、新しい小型SUV(スポーツ多目的車)「RVR」を発表した。これは今年投入する唯一の新車。グローバルの販売台数96万台(2009年度計画)は世界シェア2%にも満たない。一時の深刻な経営不振から脱したとはいえ、設備投資や研究開発費もトップメーカーに比べ10分の1以下という状況下、1年1台ペースがやっとだ。

「優先株を処理して一般株主に配当することを10合目とすると、7合目まで来たと思ったら(08年の)リーマンショックで4合目まで落ちた」(益子社長)。10年3月期は、三菱グループ関係各社に対する優先株の配当約200億円が発生する予定だったが、累積損失を抱える中で配当の余力はない。

これに対し、「今はまず本業をしっかりしてもらうことが優先株配当よりも大事だ」(三菱商事関係者)と話しているように、グループでは今のところ配当問題を“不問”とするもよう。益子社長も「株主会社には引き続き支えてもらい、処理の道筋をつけないといけない」と強調する。身内から猶予を与えられた格好だが、心強い伴侶となるはずだったPSAとの距離を縮められず、“独立独歩”で激動の業界を歩まねばならない。

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