注目が集まるモンゴルの資源戦略、最大与党・人民革命党の若手リーダー、バルダンオチル議員に聞く

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--中国はタバン・トルゴイ向けの鉄道を自国内で建設し始めており、ロシアも同じく鉄道敷設の方針を表明していますね。

モンゴルのような内陸国にとって、輸出経路の確保は難しい課題だ。春の国会では、20年までの「国家総合開発計画」も議論される。そのなかでは、石炭の生産量を現在の倍以上の年3000万~3500万トンにするという目標が盛り込まれる見通しだ。

現在、中国に積み出すための鉄道が計画されているが、その輸送能力は年1500万トン~2000万トン程度。自国の消費は800万~900万トン程度として、今後にロシア向けにも鉄道を敷設する必要があるのは間違いない。どちらか一つという話にはならないはずだ。

--ウラン開発の方向性も注目の的です。

モンゴル側が発見したウラン鉱山については、モンゴル側に権益の51%以上を引き渡すことを義務づける新法が昨年7月に成立した。日本側との意見交換では、この法律が外資の投資意欲をそいでいるとの指摘があった。本国に持ち帰り、改正の可能性があるかどうか検討したい。

09年7月に、バヤル首相(当時)が来日した際、日本との間で「原子力エネルギー及びウラン資源に関する協力覚書」をまとめている。モンゴルとロシアとの間でも同様の協議が行われており、日本、ロシア、モンゴルの間にはウラン開発をめぐって一定の合意があると認識している。

--2月23日に鳩山由紀夫首相とも会談しましたが、印象は。

日本とモンゴルの戦略的パートナーシップの強化という点で、鳩山首相とは一致をみた。

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