ゲーム事業を拡大へ、スマホ・テレビは台数追わず=ソニー社長 エレクトロニクスは収益を一段と重視

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 5月26日、ソニーの平井一夫社長は、黒字化を目指しているエレクトロニクス事業の方針について、規模や売り上げを追わずに収益を重視する考えを示した。22日撮影(2014年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 26日 ロイター] - ソニー<6758.T>の平井一夫社長は26日、ロイターなどとのインタビューで、エレクトロニクス事業の黒字化に向けて、販売台数や売り上げを追わずに収益を重視する方針を示した。特に、スマートフォン(スマホ)とテレビのリスク管理を徹底する。一方で「プレイステーション(PS)4」が好調なゲーム事業については、販売台数の拡大を目指していく構え。

ゲーム、映画、音楽を配信するネットワーク事業の売上高は2013年度で2000億円(前年度は1170億円)を超えた。平井社長は「今後もかなりの成長ドライバーになる」と強調。このために「一番重要なのはPS4の普及台数」と指摘し、ゲームの拡大とともにネットワーク事業を伸ばしていく構えを示した。

さらに、今年夏から米国で、テレビでPS3のクラウドサービス「プレイステーション Now」の提供を開始する。この他にも、スマホ、デジタルカメラのネットワークサービスを拡充し、ハード販売の後に収益機会が狙えるビジネスモデルを追求する考えを示した。

<テレビ、販売落ちても黒字確保へ>

一方で、テレビとスマホは販売台数でなく、収益を重視する。世界各国の販売動向を定期的にチェックし「数字を変更する場合は、コストを落としてボトム(利益)を確保する」と述べ、市場動向に応じて計画を変更する可能性を示唆した。

2014年度のテレビ販売計画は1600万台で、前年比18%増と強気の計画。ただ、平井社長は「(前期実績の)1350万台まで落ちても利益を確保できる体制になってきている」と語った。

今期のスマホ販売も5000万台(前年同期は3910万台)を計画。ただ、「もしも台数が伸びないなら、どの製品がどの地域で問題があるかを見極めて、それを絞るかどうか、個別の変動要素に対応していく」と語った。

ソニーは、2012―2014年度の中期経営計画が未達に終わる見込みとなり、2015年度から3カ年の中期経営計画を今期中に策定する。平井社長は次の中期計画でも「PS4は台数を徹底的に伸ばしてもらうが、他のビジネスは売り上げ拡大で計画を立てることはしない」と述べた。

*内容を追加して再送します。

(村井令二 編集:宮崎大)

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