いじめられっ子で、オタクのわが子が不安 馬に代わって水を飲んでやることはできない

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構いすぎは息子の考える力を奪う

たぶん、あなたの努力で入学された中高一貫校で起きた問題も、転校で解決できると考えられたようですね。

大学選択も、「本人はさじを投げ」、あなたが決めたとありますが、さじを投げるも何も、さじ加減に苦労する以前に、息子さんは最初からそのさじに触れてさえいませんでした。「本人に任せた結果がこれだ」とおっしゃられますが、「水を飲むことだけは代わってやれないので任せた」のは、任せたうちに入りません。

息子さんは、あなたが連れて行ってくれた水飲み場の水は、最初から飲む気がなかったのです。あなたは水飲み場を勝手に決め、勝手に連れて行って飲むことだけを任せたのですが、彼は彼なりの事情から嫌々少々をすすったにすぎません。

大学へ進学する意思のない子に、あなたのように息子が入れる大学を探し出し入学させたところまでは、かくのごとく偉そうなことを申し上げている私も、同じ行動を取ったと思います。でもその後の接し方は、ほかに選択肢があったようにも思います。

母親が変わらないかぎり息子は変わらない

息子さんを変えるには、まず母親から変わる必要があります。今のような関係で息子さんを専門学校に移しても、通う先が変わるだけで、彼は手に職をつけるほど頑張るとは想像しにくいのです。彼自身が一大決心をして自ら申し出るなら別ですが。

私ならば、心を鬼にして独立させます。自分の衣食住、テレビやゲーム代まで全部、自分で稼がせます。本人が専門学校で学びたければ、そうして夜学で学ぶ学生も大勢います。

何の努力をしなくとも、季節に合わせた衣服と寝具、好物の食事などが次々に与えられ、ゲームを楽しんでいる間に当面の進路まで決めてくれる“面倒見のいい親”も、昨今では珍しくありませんが、あなたには、この関係にキリが見えますか?

親がそこまで構って、うまくいった例を知りません。客観的には母親が変わることが先決です。私なら荒療治を施すと思います。これまでの経験や見聞から、それ以外の愛情のかけ方が見当たりません。

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ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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